赤外線サーモグラフィは、物体の表面温度・温度変化から内部の状況を調べる「非破壊検査」と呼ばれる方法の一つです。例えば、電気モーター等の加熱は外側の温度が上昇することで検知することができます。また、発熱しない物を調査する際には、外部から熱を加えて行う「アクティブ・サーモグラフィ」という方法を用いて検査を行います。非破壊検査の一つである赤外線サーモグラフィは建築物の調査にも用いられていて、従来の打診方法と比較すると様々なメリットを得ることができます。
その一つが、美観・居住性を損なわないことです。赤外線診断の場合は、打診調査のように建物の外壁周囲に足場を組んだりする必要がありません。つまり、アパート等に居住者がいる場合に騒音を気にすることがありませんし、外壁周囲の足場で作業をすることで部屋の中を覗いてしまうことを心配する必要もないのです。生活環境を乱されることは誰もが嫌がることですから、こういったストレスが発生することがないというのは大きなメリットと言えます。
さらに、居住者が在宅中かどうかに関わらず、足場が設置されていることで「工事中」というイメージを持ってしまうこともありません。また、足場が必須の作業となると安全面に十分に配慮する必要があります。その点で見れば、足場が不要な赤外線カメラでの調査は安全面でもメリットをもたらしてくれるのです。基本的にはカメラでの撮影作業となるので、打診調査と比較して短い時間で効率的に作業を進められるのもメリットと言えます。
そして、調査する側にとって最も大きなメリットが、コストを削減できることです。足場の仮説には多くの費用がかかりますが、足場が不要な調査方法であれば費用を大幅に抑えることができるのです。非破壊検査の赤外線サーモグラフィは、安全面に優れていてコストの削減も図れるので、これからますます注目を集めることが予測できます。
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