赤外線を使用した非破壊検査

非破壊検査とは、検査する対象を壊すことなく、その欠陥や劣化の状況、または現在の状態を検査する方法のことです。原子力発電所からビル・鉄道・橋・地中埋没物にいたるまで、社会資本のすべてがその対象となります。超音波やレーダー・放射線などの最新の装置と技術を駆使し、予防保全、有効活用に役立てられます。また、その応用分野は材料・機器・構造物の製造時検査、および運転後に行う保守検査など多岐にわたっています。

対象の傷を探し出すことを「探傷」と言い、いくつかの方法に分かれます。医療で用いられるのと同じように放射線や超音波をあてて行う探傷検査があります。その他、傷部分から発生する「漏洩磁束」現象を利用した粉砕探傷検査、材料の非破壊検査法の一種であり、材料表面に開口した傷(クラック)を検出する浸透探傷検査、交流を流したコイルを対象に近づけ、磁界の作用によって対象に渦電流を発生させ、傷や材質の影響による変化を検出する渦電流(渦流)探傷検査があります。対象物の温度変化を見極めることで探傷を行うのが赤外線サーモグラフィです。

主な意味合いとしては物体表面の温度変化をとらえることですが、発熱しない対象物の場合は外部から熱を加えて行うこともあり、これをアクティブ・サーモグラフィと言います。赤外線サーモグラフィで用いられる主な励起方法は、加熱と冷却で、加熱方式が一般的です。振動エネルギー・電磁力・太陽光などによっての加熱、または自然冷却・気化熱・低温ガス吹き付けでの冷却によって起こった表面の温度変化を赤外線センサーで検出し、内部の状況を推定します。日本ではこの非破壊検査は、1935年頃に国内でX線装置が製造されたのをきっかけとして運用が開始されました。

現在は原子力・火力発電設備・石油プラント設備・船舶等の輸送機器・ガスや水道等のインフラ、その他あらゆる分野や物資の検査で用いられています。TOSAのことならこちら

関連記事

コメントする

Hey, so you decided to leave a comment! That's great. Just fill in the required fields and hit submit. Note that your comment will need to be reviewed before its published.