非破壊検査とは、その名の通り対象物を壊すことなくその内部の傷や欠陥、劣化の状態を調査する検査です。超音波を使うものから放射能を使うものまで、様々な種類がありますが、赤外線を利用した非破壊検査もあります。これが赤外線検査です。主にコンクリート構造物の簡易劣化を診断します。
この方法では赤外線カメラを使用します。コンクリートの損傷部と健全部は外部から熱エネルギーを受けた際、コンクリート表面に温度差が生じます。この表面の温度差をカメラで撮影して内部の損傷部を検出します。またサーモグラフィ温度分布を測定することで、構造物の異常個所を発見できます。
サーモグラフィを利用することでリアルタイムで、対象物から離れた所から非接触で、しかも微小物体でも温度を見だすことなく温度測定ができる、といった利点があります。また遠隔操作機能を用いればより広範囲の測定が可能です。更に他の方法とは異なり足場や作業車を用いる必要がなくなります。事前に作業計画を立てずに行えるので、検査は比較的短時間で可能になります。
ただ、赤外線検査は他の非破壊検査と比べると調査結果の信頼性は低いです。断熱材や空気層がある建物や外壁面が乾燥していない建物には適用することができません。風速が5m以上の環境下でも温度差が出にくくなるため、やはり適用することは不可能です。撮影者には調査時に天候・気温・風速・太陽の位置等を十分加味することが求められます。
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