工場などで用いられる検査治具

検査治具とは一般の人にはあまり馴染みのない用語ですが、何か検査のために用いられる用具のようなものだろうと想像はできます。これは完璧な理解ではないものの、ラフに考えるのでよければ決して間違っていません。工場で様々な部品とか器具などを製造する場合、当然ながら仕様に適合したものでなければならず、そうでないと不良品扱いです。ここで、仕様とは極めて多くの要素が考えられます。

大きさとか重さは代表的ですし、色合いとか電気抵抗などが重視される製品もあります。これらの要素を素早くチェックするために用いられるのが検査治具ですが、話を分かりやすくするために大きさの点に絞って考えることにします。検査治具とはチェックに用いられる鋳型のようなものと思って頂ければ良いです。ここでポイントとなるのは、出来上がった製品の各部の長さが、例えばここは5.28mmであるといったように正確に測る必要性は別になく、単に仕様書に定められた範囲内かどうかさえ分かれば十分だということにあります。

そのため、仕様書に沿った大きさであれば製品がぴったりと収まり、かつがたがたもないような鋳型を予め用意しておけば、ノギスなどの測定器によっていちいち長さを測ることなく適合性を素早く確認できるのが検査治具の位置づけです。長さを正確に測るのは時間もかかりますが、手先や指先の感覚で両者の収まり具合を感じ取るのは、明らかにもっと素早くできるからということになります。